第0話 : Yes,You can Fly!



この話は、リプレイとしては残されていない、真・女神転生TRPGの『本当』の第1話です。


奈良県と大阪府の境目にある某高等学校、そこにPC達は通っていた。いつも通りの日常。その平和な時間を楽しみ、または疎みながら毎日を暮らしていた。

そんなある日、ふとPC達の耳にある噂が入ってきた。噂の内容は、「この学園内の生徒連続失踪事件」「夜中に学校内を俳諧する怪しげな人影」そして「ゾンビの目撃」…。

そこでPC達、斉、力矢、ゼファ、浦城、福井の5人は、原因究明のために夜の学校を探索することにした。途中、グラウンドでUFOを呼んでいるメシア教徒達に会ったり、図書館でゾンビに襲われたりしながらも、どうにかこの事件のすべての原因が放送部部長である女子生徒にあることを突き止める。

しかし、犯人の姿はなく、悪魔は次々と襲い掛かってくる……。やがて疲弊し、一度体育用具室に身を潜めることにしたPC達は、そこで一人の女性、大内池 翔子と出合った。彼女もこの一連の事件の解明にあたっていたらしい。そこでPCと大内池はいくつかの有力な条件の交換をして別れた。

その後、ようやく犯人である放送部部長を講堂に追い詰めたPC達。だが彼女は怪しげな宝玉の力を使い、悪魔『ボディコニアン』に変身してPC達に襲い掛かってきた!かなりの苦戦の後、ようやく彼女を倒した時、突如車椅子に乗った老人が現れ、倒れ伏した彼女から宝玉を取り出し、そして現れた時同様、一瞬で消えた。ただ一言を残して…。

「やれやれ…また失敗に終わったか……」

突然のことに困惑するPC達。そこに追い討ちをかけるように、学校全体が不気味な振動を始める。消えた老人の「力」で、学校自体が爆発しそうなのだ。

今すぐ逃げても逃げ切れるか……PC達が悩み、行動に移せないでいると、そこへ先程知り合った女性、大内池さんが駆け寄り、PC達と自分を含めた全力の『テレポート』でその地を離れる。そして次の瞬間、学園は大爆発した………。

PC達は一瞬で景色が変わり、再び混乱する。そして入ってくる母校の惨事のニュース。さらに悪いことに、PC達はその事件に巻き込まれて死んだこととなり、もう今までと同じ生活は送ることができないこととなった。

あまりのショックに言葉を失うPC達。そこに、彼らを救ってくれた大内池さんがこう言った。

「帰る場所も、生きていく術もないというのなら、私達<結社>の元で働かない?」

…これははたして、救いの手なのか…、それとも滅びへの一歩なのか……。

ただ、もう自分達が後戻りできないのだと理解した者から、首肯することとなった…。